「ボーダーコリー 飼いにくい」と検索されたあなたは、きっと「頭が良い犬って聞くけど、実際どうなの?」「可愛いけど本当に自分に飼えるのかな?」と不安や疑問を抱えているのではないでしょうか。
たしかに、ボーダーコリーは見た目の美しさや高い知能から“理想の犬”と思われがちですが、実際には想像以上に手がかかる面も多い犬種です。飼いやすさだけで選んでしまうと、あとで「こんなに大変だったなんて…」と感じることもあります。
この記事では、ボーダーコリーの性格や特徴、飼育におけるリアルな注意点をわかりやすくまとめました。実際に多くの飼い主が感じている「あるある行動」や「こんなときに手放したくなる」といった悩みまで、体験談に頼らず客観的な情報に基づいて解説していきます。
これからボーダーコリーを迎えようと考えている方、あるいはすでに一緒に暮らしているけれど育て方に悩んでいる方にとって、少しでも役立つ情報になれば嬉しいです。犬との暮らしは大きな喜びと責任が伴うもの。だからこそ、まずは正しい知識を持ち、相性をじっくり見極めていきましょう。
この記事のポイント
- ボーダーコリーが飼いにくいと感じる具体的な理由
- 賢さゆえに必要な接し方やしつけのポイント
- 運動量や日常のケアに必要な時間と労力
- 飼い主として求められる心構えや適性
ボーダーコリーは飼いにくいって本当?
ポイント
- ボーダーコリーの性格と特徴をチェック
- 抜け毛が多いって聞くけど本当?
- 凶暴化しやすいって噂はホント?
- しつけや散歩時間はどれくらい必要?
- 賢い・頭いいからこその難しさも
ボーダーコリーの性格と特徴をチェック
ボーダーコリーは「犬界の天才」とも呼ばれるほど知能が高く、非常に個性的な性格を持った犬種です。見た目の可愛さに惹かれて迎える方も多いですが、性格や行動の特徴を理解していないと「思っていたのと違う」と感じてしまうこともあります。
賢さはトップクラス!けれど要注意
ボーダーコリーの最大の特徴は、なんといってもその賢さです。カナダ・ブリティッシュコロンビア大学の研究では、全犬種中トップの知能を持つと評価されています。一般的なしつけやコマンドはすぐに覚えるため、初心者でも「しつけやすそう」と思うかもしれません。
しかし、頭が良すぎるがゆえに、人間の行動や感情を読み取って行動を変えることもあります。飼い主が甘い態度を取るとすぐに見抜かれ、都合よく振る舞うようになることも。つまり、信頼関係と一貫したルールが何より重要です。
活発でエネルギッシュな毎日
もうひとつの大きな特徴が、抜群の運動能力です。もともと牧羊犬として活躍していた背景があるため、1日2時間以上の運動が必要とされています。ただの散歩だけでは足りないことが多く、以下のような活動が推奨されます。
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フリスビーやボール遊び
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ドッグランでの自由運動
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アジリティ競技
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知育トイを使った頭の運動
日々の運動が不十分だと、ストレスを抱えて問題行動につながることがあります。物を壊したり無駄吠えが増えたりすることもあるため、「運動量の確保」がキーポイントです。
警戒心と愛情深さのバランス
ボーダーコリーは、家族に対して非常に忠実で愛情深い反面、見知らぬ人や犬に対しては警戒心が強くなる傾向があります。社会化が不十分だと、吠えたり距離をとったりすることも。
このため、子犬の頃から様々な人や環境に慣れさせる「社会化トレーニング」が重要です。上手に育てれば、以下のような良い一面が強く表れます。
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飼い主への忠誠心が高い
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コマンドの理解が早い
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指示待ちの姿勢が強い
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共同作業を楽しむ性格
まとめ:理想のパートナーになるかは育て方次第
ボーダーコリーは、しっかりと向き合えば家族の一員として素晴らしいパートナーになります。ただし、知能の高さ・運動量の多さ・警戒心の強さといった特徴を正しく理解し、適切に対応することが大前提です。安易な気持ちで飼い始めると、手に負えなくなってしまうこともありますので、事前の情報収集がとても大切です。
参考:みんなのブリーダー
抜け毛が多いって聞くけど本当?
はい、ボーダーコリーは抜け毛が多い犬種です。特に「ラフコート」と呼ばれる長毛の個体は毛量も多く、換毛期には驚くほど毛が抜けることがあります。毛のお手入れが苦手な方にとっては、この点が大きなデメリットに感じられるかもしれません。
抜け毛の多さは毛質に関係あり
ボーダーコリーの被毛はダブルコート構造です。これは「アンダーコート(内側の柔らかい毛)」と「トップコート(外側のしっかりした毛)」の二重構造になっていて、寒さに強い反面、抜け毛が発生しやすいという特徴があります。
毛質は主に以下の2タイプに分かれます。
毛質タイプ | 特徴 | 抜け毛の量 |
---|---|---|
ラフコート | 長毛でややウェーブがかかることもある | 非常に多い |
スムースコート | 短毛で直毛が多い | 比較的少なめだが多い |
ラフコートの方が毛玉にもなりやすいため、こまめなブラッシングが不可欠です。
換毛期は特に注意が必要
春と秋の年2回、換毛期と呼ばれる季節の変わり目には、アンダーコートがごっそりと抜け落ちます。この時期は、1日でもブラッシングを怠ると家中が毛だらけになることも。
以下のようなお手入れを習慣づけることが推奨されます。
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週に3~4回のブラッシング(換毛期は毎日)
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コームやスリッカーブラシを併用する
-
月1回程度のシャンプーで清潔に保つ
-
抜け毛掃除用の粘着ローラーや掃除機を常備
しっかりケアをすれば、被毛の美しさを保ち、皮膚病の予防にもつながります。
清潔に保てば、トラブルは防げる
抜け毛そのものは避けられませんが、定期的なケアによってほとんどの問題は防ぐことができます。逆に、放置すると以下のようなリスクがあります。
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毛玉ができて皮膚が炎症を起こす
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室内に毛が溜まりアレルギーの原因になる
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見た目が悪くなり不衛生に見える
このようなことを防ぐには、犬と人が心地よく暮らすための“ルーティン”をつくることが大切です。
まとめ:抜け毛は多いが、対策で快適に
ボーダーコリーの抜け毛は確かに多いです。しかし、こまめなブラッシングと環境整備を習慣化すれば、大きな悩みになることはありません。「犬を飼う=毛が落ちるもの」と割り切れる方にとっては、魅力的なパートナーとなるでしょう。とはいえ、清潔な暮らしを維持するには手間も必要なので、覚悟を持って迎え入れることが大切です。
凶暴化しやすいって噂はホント?
ボーダーコリーが「凶暴になる」と聞くと不安になる方も多いかもしれません。しかし実際には、もともと凶暴な犬種というわけではありません。むしろ、本来は人に対して非常に友好的で忠実な性格をしています。ではなぜ、凶暴化の噂が出てしまうのでしょうか。
凶暴になる原因は「環境」と「扱い方」
ボーダーコリーが攻撃的になる背景には、次のような原因が隠れていることがほとんどです。
-
運動不足やストレス
:十分な運動ができないと、エネルギーを持て余してイライラすることがあります。 -
しつけ不足
:子犬の頃に社会化が不十分だった場合、見知らぬ人や犬に対して過剰に反応してしまうことがあります。 -
間違った接し方
:大声で怒鳴る、急に叩くなど、不適切な対応は犬の警戒心や不信感を強めてしまいます。
このように、性格ではなく「育て方」によって凶暴に見える行動が現れるケースが多いのです。
攻撃性のサインを見逃さないことも大切
凶暴化の一歩手前で見せる「警戒・威嚇」のサインに早く気づくことが予防につながります。
行動のサイン | 意味 |
---|---|
うなり声をあげる | 怒っている、もしくは怖がっている |
尻尾をピンと立てて固まる | 緊張して警戒している |
視線をそらさない | 威嚇や敵意の表れ |
このような行動を見たときは無理に接触せず、まずは落ち着かせることを優先しましょう。
攻撃的になる前に、信頼関係を築こう
ボーダーコリーが凶暴化してしまう背景には、不安や不満が積み重なっていることが多いです。日頃から愛情を持って接し、適切なしつけと運動を心がけていれば、攻撃的な問題行動に発展することは滅多にありません。
しつけや散歩時間はどれくらい必要?
ボーダーコリーを飼ううえで最も大切なポイントの一つが、「しつけ」と「運動量(散歩時間)」です。どちらかが欠けてしまうと、問題行動が出やすくなったり、関係がうまく築けなかったりする可能性があります。
しつけは早期かつ継続的に
ボーダーコリーは非常に頭が良いため、しつけが入りやすい犬種です。ただし、「なんでも覚える=勝手に学習してしまう」こともあるため、間違った習慣がつく前に正しいルールを教える必要があります。
しつけのポイントは以下の通りです。
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生後2〜3か月から始めるのが理想
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叱るよりも「褒めて伸ばす」スタイルが効果的
-
家族全員がルールを統一すること
-
1日数回、短時間ずつ反復するのがベスト
覚えるスピードは速いですが、その分、放置すると自己流で行動を決めてしまいがちです。
散歩時間はたっぷりと!
運動が大好きなボーダーコリーは、1日1回30分程度の散歩ではまったく足りません。以下が、健康とストレス予防のために推奨される散歩・運動量です。
活動内容 | 時間の目安 | 頻度 |
---|---|---|
通常の散歩(朝夕) | 各30〜60分 | 毎日 |
ボール遊び・フリスビー | 15〜30分 | 週3〜4回以上 |
ドッグランなどの自由運動 | 1時間程度 | 週1〜2回 |
また、散歩に加えて「頭の運動」も忘れてはいけません。知育玩具やコマンド遊びを取り入れて、脳の刺激も与えるようにしましょう。
一緒に過ごす時間が、しつけにもつながる
しつけや散歩は単なる義務ではなく、信頼関係を深める大事な時間でもあります。毎日コミュニケーションを取りながら進めることで、飼い主の指示に対して素直に従うようになります。忙しくても、質の高い接し方を意識すると良いでしょう。
賢い・頭いいからこその難しさも
「賢い犬はしつけが楽」と思われがちですが、実際にはそう簡単ではありません。ボーダーコリーのように知能が高い犬は、良くも悪くも人間の言動を敏感に感じ取り、自分で判断して動いてしまうことがあります。
覚えが早い分、間違ったこともすぐ覚える
例えば、「一度だけソファに乗せた」「散歩のときに急いで引っ張った」など、何気ない行動がクセとしてすぐに定着してしまいます。しかも、叱るタイミングを逃すと「これはOKなんだ」と判断されてしまうため、習慣を修正するのが難しくなるのです。
また、以下のような行動にも注意が必要です。
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ドアを自分で開けて勝手に外に出る
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飼い主の気分を読んでコマンドを無視する
-
他の犬よりも早く「手抜き」を覚える
このように、賢さが「扱いにくさ」につながることもあるのです。
常に刺激を求める性格にも対応が必要
ボーダーコリーは単調な日々が苦手です。退屈な環境に置かれると、自分で刺激を作ろうとして、以下のような問題行動に発展することがあります。
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無駄吠えが増える
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家具や物を噛む
-
飼い主の指示を無視する
こうした行動を防ぐには、「頭と体のバランスよい刺激」がカギになります。例としては、毎日の散歩コースを変えたり、新しいトリックを教えたりすることでマンネリを防げます。
飼い主にも「学びの姿勢」が求められる
賢い犬種だからこそ、飼い主側にも柔軟な対応力や知識が必要です。ボーダーコリーと信頼関係を築くには、一方通行のしつけではなく、双方向のやり取りが大切になります。
「一緒に成長する」という意識で、楽しみながら接することが、ボーダーコリーとの暮らしを豊かなものにしてくれるでしょう。
ボーダーコリーが飼いにくいと感じる理由とは?
ポイント
- 飼った人の感想から見えてくること
- ボーダーコリーあるある行動集
- 飼う前に知っておきたい欠点とは
- 「手放したい」と思うのはどんなとき?
- ボーダーコリーって育てやすい?
- 向いているのはどんな飼い主?
飼った人の感想から見えてくること
ボーダーコリーを実際に飼った人たちの声を聞くと、この犬種の魅力と同時に、想像以上に大変だったというリアルな体験が見えてきます。見た目の可愛らしさや「賢い犬」というイメージだけで選ぶと、思わぬギャップに戸惑うことがあるようです。
ポジティブな感想に多いのは「頭の良さ」と「忠実さ」
まず、多くの飼い主が感じるのは、やはりその賢さと人懐っこさ。しつけをすぐに覚えてくれたり、飼い主の表情をよく見て行動してくれたりと、「人間と通じ合っている感覚がある」という意見も珍しくありません。
例えば、こんな声が挙がっています。
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「子どもにも優しく、守ろうとする姿に感動した」
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「教えたことはすぐ覚えるし、間違いもすぐに気づいて直してくれる」
-
「散歩が楽しそうで、自分も運動の習慣がついた」
このように、うまく付き合えている人にとっては、パートナーとして非常に頼もしい存在になっているようです。
一方で、「想像以上に大変」という声も
しかし、その一方で「想像以上にエネルギーが有り余っていた」「育てるのが難しかった」と感じた飼い主も少なくありません。賢いがゆえに、退屈やストレスから問題行動が出やすくなることも多いようです。
ネガティブな声には次のような内容があります。
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「毎日2時間以上の散歩が必須で、正直疲れる」
-
「少しでも運動不足になると家の中で暴れ出す」
-
「いたずらのスケールが大きい。棚のものを全部落とされた」
このような話を聞くと、「賢い=飼いやすい」と単純に考えるのは危険だとわかります。
感想を通して感じる「向き・不向き」
飼い主の感想をまとめると、次のような「向いている人・向いていない人」の傾向が見えてきます。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
毎日の散歩・運動が苦でない人 | 忙しくて散歩の時間が取れない人 |
犬のしつけに時間をかけられる人 | しつけは最低限でいいと思っている人 |
愛犬と一緒に学び成長したい人 | 犬に合わせるのがストレスな人 |
このように、「飼ってよかった!」と感じるかどうかは、犬種の性格だけでなく、飼い主側のライフスタイルとの相性が大きく関係しています。事前によく調べ、自分に合っているかをしっかり見極めることが大切です。
ボーダーコリーあるある行動集
ボーダーコリーを飼っていると、「またやってる!」と笑ってしまうような“あるある”行動がたくさんあります。これらはボーダーコリーならではの特徴でもあり、性格や本能がよく表れているポイントでもあります。
動くものに敏感すぎる!
ボーダーコリーは牧羊犬として活躍していた歴史があるため、「動くものを追う本能」がとても強いです。そのため、以下のような行動が日常茶飯事になります。
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自転車や走る子どもを見ると、つい追いかけようとする
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猫や鳥を見かけると全身が固まり、じーっと目で追う
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家の中でも掃除機やルンバに吠える・吠えずに監視する
この反応は悪気があるわけではなく、DNAに刻まれた本能によるものなのです。
飼い主の動きを見張る“監視員”
ボーダーコリーのもう一つの特徴は、「飼い主の一挙一動を常に見ている」ことです。料理中やテレビを見ているときも、じーっと観察している様子に「ちょっと怖い(笑)」と感じる人もいるほどです。
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トイレに行くときも後ろから付いてくる
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玄関で靴を履く音にすぐ反応してスタンバイ
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寝たふりをしていても、飼い主が動くとすぐ起きる
まるで「小さな警備員」がいるような安心感と、ちょっとしたプレッシャーを感じる瞬間です。
スマートなのに“おバカ”な一面も
高い知能を持っているボーダーコリーですが、時には予想外な行動を取って笑わせてくれます。
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ボールを取りに行って、途中で草のにおいに夢中になる
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指示を出すと完璧にこなすのに、おもちゃをどこに隠したかは忘れる
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鏡に映った自分に向かって吠える(しかも毎回)
こうしたギャップも、飼い主にとっては大きな魅力のひとつ。頭がいいのにどこか抜けていて、「しょうがないなあ」と思わず笑ってしまうような存在です。
“あるある”を理解することが信頼関係に
こうしたボーダーコリー特有の行動を「クセ」として受け止め、上手に対応することで、犬との暮らしがぐっと楽しくなります。犬の行動にはすべて意味があるので、「なぜそうするのか」を理解しながら関わっていくことが、信頼関係を深める第一歩になるでしょう。
飼う前に知っておきたい欠点とは
ボーダーコリーは非常に賢く、運動能力も高いため、魅力的に感じる方も多い犬種です。しかし、実際に飼い始めてから「こんなはずじゃなかった」と感じるケースも少なくありません。それは、見た目や知名度だけでは分からない“欠点”が存在するからです。ここでは、事前に知っておきたいボーダーコリーの主な注意点について整理しておきます。
エネルギーが有り余っている
まず、もっとも大きな特徴は、驚くほどの運動量です。牧羊犬として育てられてきた歴史があるため、室内だけでの生活ではストレスを溜めてしまいます。以下のようなことが日常的に求められます。
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毎日1〜2時間以上の散歩
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頭を使う遊び(ボール遊び、トレーニングなど)
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ドッグランや広場での自由運動
このように、時間も体力も使うため、忙しい家庭や運動が苦手な方にとっては負担に感じる可能性があります。
賢すぎるがゆえの“扱いづらさ”
ボーダーコリーは知能が高い反面、「自分で考えて行動する」傾向があります。これはしつけが入りやすいというメリットにもなりますが、逆に言えば、曖昧な指示や一貫性のない対応をすると混乱させてしまう恐れがあります。
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「なぜ怒られているのか」が分からないと納得しない
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指示がコロコロ変わると信頼関係が崩れる
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飼い主の感情を敏感に読み取って萎縮することも
このような繊細さは、人との付き合いに近いものがあり、感情的なしつけや乱暴な対応は逆効果になることがあります。
音や動きに敏感で興奮しやすい
ちょっとした音や、家の中での急な動きに反応して興奮してしまうことがあります。これは、外敵や群れの動きを察知する能力が発達しているためです。例えば、
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宅配のチャイムに吠え続ける
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小さな子どもの動きを追いかける
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テレビに動物が映ると吠える
このような行動が頻繁にあると、家族にとってもストレスになりかねません。
欠点を知った上で検討することが大切
ボーダーコリーには確かに魅力が多いですが、それを上回るような注意点や手間があることも事実です。以下のような人には特に向いていると言えるでしょう。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
毎日しっかり運動させられる人 | 運動の時間が取れない人 |
しつけやトレーニングが好きな人 | 面倒だと感じる人 |
犬の性格に合わせて柔軟に対応できる人 | 感情的に叱ってしまう傾向のある人 |
このように、欠点をあらかじめ知っておくことが、後悔しない飼育につながります。情報をしっかり集め、自分のライフスタイルと照らし合わせて判断することが何より大切です。
「手放したい」と思うのはどんなとき?
ボーダーコリーを飼い始めたものの、「思っていたよりも大変」「育てきれないかもしれない」と感じる場面に直面する人もいます。もちろん、手放すという決断は簡単なものではありませんが、実際にそう感じてしまう状況には共通点があります。
十分な運動ができず問題行動が出てしまう
もっとも多く聞かれるのが、「運動が足りずに落ち着かなくなった」「ストレスがたまって問題行動が増えた」というケースです。具体的には、
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家の中で走り回って物を壊す
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しつけで教えたことを無視するようになる
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吠えが激しくなり近所からクレームが来る
このような状態になると、飼い主も精神的に追い詰められ、「もう無理かもしれない」と感じてしまいます。
しつけがうまくいかないストレス
賢い犬種ではあるものの、しつけのコツを知らないと逆に苦労します。たとえば、
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一貫性のない命令で混乱して言うことを聞かない
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自我が強く、頑固に振る舞うようになる
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飼い主の指示よりも自己判断を優先する
こうした態度を「反抗的だ」と感じてしまい、信頼関係が築けずに悩むケースも少なくありません。
家族の協力が得られないとき
ボーダーコリーの世話は一人では大変なことが多く、家族の協力が不可欠です。しかし、以下のような状況では、精神的にも肉体的にも負担が大きくなってしまいます。
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他の家族がまったく協力してくれない
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子どもが怖がって触れない
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配偶者や親と意見が合わない
このように、家族全体の協力体制が整っていないと、「自分だけが頑張っている」という孤独感から、手放すことを考えることもあります。
「手放す前に」できる選択肢もある
もし、手放したいと感じたとしても、すぐに結論を出す必要はありません。以下のような対処法を試すことで、状況が改善することもあります。
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ドッグトレーナーに相談してみる
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ペットシッターや家族に散歩を分担してもらう
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一時的にペットホテルを利用し、気持ちをリセットする
犬にとって、飼い主と暮らすことは何よりの幸せです。だからこそ、「限界かもしれない」と感じたときには、まずは誰かに相談し、他の選択肢がないかを探ってみてください。それが、飼い主自身のためにも、犬の幸せのためにもなる第一歩になります。
ボーダーコリーって育てやすい?
ボーダーコリーは「世界一賢い犬」とも称されるほど知能が高く、しつけも比較的入りやすい犬種です。しかし、「賢い=育てやすい」とは限らないのが現実です。初めて犬を飼う方や、のんびり過ごしたい方にとっては、想像以上に手がかかると感じるかもしれません。
しつけが入りやすいのは本当
まず、知能の高さから来る「学習スピードの速さ」は、確かに育てやすさにつながります。例えば、
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トイレトレーニングがすぐに身につく
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コマンド(おすわり・待てなど)を覚えるのが早い
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飼い主の言葉や表情の意図を理解しようとする
こういった点では、他の犬種よりもスムーズにしつけが進むことが多いです。
でも“育てやすい”とは限らない
一方で、「頭が良すぎるがゆえの難しさ」もあります。人間のように考える力があるため、次のような困難に直面することがあります。
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単調な指示に飽きて言うことを聞かなくなる
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飼い主の指示の一貫性がないと混乱する
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自分で判断して行動するクセが出てしまう
さらに、体力も非常にあるため、「頭」と「体」の両方を満足させる育て方が求められます。散歩だけでなく、知育玩具やドッグスポーツなどを取り入れる必要があります。
育てやすいと感じやすい家庭の特徴
以下のような環境があると、ボーダーコリーを育てる上で無理が少なくなります。
向いている家庭の特徴 | 内容例 |
---|---|
毎日しっかり運動させられる | 朝晩の散歩1時間+休日のドッグランなど |
トレーニングに時間を割ける | しつけ教室、家庭でのコマンド練習が習慣化している |
飼育経験や学習意欲がある | 過去に犬を飼った経験があり、書籍や動画で勉強する人 |
家族全員が協力できる環境 | 散歩やしつけを分担できる |
自分の生活リズムに合うか考えてみる
「育てやすいかどうか」は犬の性質だけでなく、飼い主のライフスタイルとの相性に大きく左右されます。たとえ頭が良くても、散歩の時間が確保できなかったり、トレーニングに興味が持てなかったりすれば、かえって大変さを感じることになるでしょう。
ボーダーコリーを「育てやすい」と感じるかどうかは、あなたがどれだけ準備をし、寄り添えるかにかかっています。
向いているのはどんな飼い主?
ボーダーコリーは、誰にでも飼える「お手軽な犬」ではありません。だからこそ、どんな人に向いているのかをしっかり理解しておくことが、失敗しない犬選びの第一歩になります。
理想的な飼い主像とは?
以下のような特徴を持つ飼い主は、ボーダーコリーとの暮らしをうまく楽しめる可能性が高いです。
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毎日の運動を欠かさない人
→ 散歩だけでなく、ボール遊びやドッグスポーツも取り入れられる -
犬とのコミュニケーションを楽しめる人
→ 一方通行ではなく、犬の反応を見ながら接することができる -
ルールやしつけを一貫して行える人
→ その場の気分で対応を変えない、冷静な判断ができる -
学び続ける意欲のある人
→ 本やトレーナーの助言を参考に、自分も成長しようとする
このような方であれば、ボーダーコリーの高い能力を活かしながら、信頼関係を築いていけるでしょう。
向いていない人の特徴も知っておこう
逆に、以下のような特徴があると、途中で行き詰まりやすくなります。
向いていないタイプ | 内容 |
---|---|
散歩が面倒に感じる | 短時間の散歩だけで済ませようとする |
大雑把な性格で細かい対応が苦手 | 一貫性のないしつけや曖昧な指示で混乱を招く |
叱りがち・感情的になりやすい | 怒鳴る・手をあげるなどで信頼関係を壊してしまう可能性 |
多忙で留守が多い | 長時間の留守番が続くと、ストレスで問題行動が増える |
パートナーとして“育てていく姿勢”が大切
どれだけ条件がそろっていても、「犬だから従うはず」という考えではうまくいきません。ボーダーコリーに向いている飼い主とは、一緒に成長し、学び合おうとする姿勢を持った人です。
たとえば、
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トラブルが起きたときに原因を考える
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成功体験を積ませて褒めて育てる
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成犬になっても継続的にトレーニングを楽しむ
このような関係性を目指すことで、ボーダーコリーとの暮らしは豊かでかけがえのないものになります。あなた自身が「どんな飼い主になりたいか」を考えてみることが、最初の一歩になるはずです。
ボーダーコリーが飼いにくいと感じる理由まとめ
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非常に賢いため、曖昧なしつけでは混乱を招きやすい
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日々の運動量が多く、時間と体力の確保が必要
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頭と体の両方に刺激を与える生活環境が求められる
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ダブルコートの被毛で抜け毛が多く、こまめな手入れが不可欠
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警戒心が強く、社会化が不十分だと吠えやすい
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飼い主の感情や態度に敏感で、不安定な接し方に反応しやすい
-
単調な生活に飽きて問題行動を起こすことがある
-
動くものへの反応が強く、追いかけてしまう本能が残っている
-
家族全員の協力がないと世話が負担になりやすい
-
吠え声が大きく、近所迷惑になるケースがある
-
運動不足やストレスで凶暴化したように見えることがある
-
飼い主に対しての依存度が高く、放置されると不安行動を起こしやすい
-
コマンドを自己判断で無視することがあり一貫性が求められる
-
清潔を保つには掃除やケアの習慣化が欠かせない
-
向き・不向きがはっきりしており、生活スタイルに合わないと飼いづらい